2012年4月29日日曜日

第10回ことばカフェ報告

第10回ことばカフェ報告  2012年4月28日(土) 午後2時~6時(予定は4時) 多摩市永山ビジネススクエア多摩で   開催されました。  ことばカフェの第1回目からの相棒 ゆかさん(彼女は吃音スペシャリスト講座ベイシックの会員にもなってくれました)-つまり、彼女のようなキャリア30年  選手でも、吃音問題がどれほどむずかしいか、吃音を知ることは、人間を知ることと同じ というくらい奥深く難しい  この頃ますます思います。  北里大学医学部から 常連の吉澤先生この先生は吃音スペシャリスト講座アドバンスにも出席してくださっています)、先回の講習会に出席された  2歳と4歳(吃音児)のママ、私の治療を受けている吃音青年、この地味なブログを読んで目黒区から来てくださった40代のビジネスマン、など  にぎやかな会になりました。  しかし、2歳と4歳の男の子がはしゃぐわ、騒ぐわ、まあ、受付嬢も、面談室のT氏もまっさお。もうしわけないやら、でも兄弟で転がりまわって、しゃべり まくっている自然の姿、関係がみられ、とても有意義でしたが・・・・。  いろいろ出た話では、まず吃音のカミングアウトがセーフテイネットになること、そのカミングアウトを聞いた周囲の人が安心していることが吃音者の  安心になる  ということが話しあわれました。  たいしたことないじゃん、とか、くせじゃない? 気にしないで  という慰めの言葉が実は吃音者をキヅつける場合もあるのです。  人の悩みをたいしたことないじゃん と軽くいなしてしまう心の裏をよーくのぞいてごらんなさい。 せめて 大変なんだ~ そう感じてんだ~ って受け止めて、話を聞き続けること が大切じゃないかな。カミングアウトは当人にとっては、 ほんとにせっぱつまった大変な作業なのだから・・・。  そして、さりげなくつきあおう。いろんな問題抱えている一人として・・・・。 第2に多摩地区に吃音の小児のサポートシステムができていないこと。成人は北里さんにまかせるとして、なんとかここで、小児の吃音評価、治療 システムを作りあげたい。そのために、金沢大学の小林宏明先生の知恵も必要かとの意見も。ボビー  よろしく!! また、吃音者の運動と感覚システムのアンバランスさが指摘された。運動神経が良ければよいほど、受ける感覚への鈍さ リラックスした感覚の つかみにくさ、が指摘され、それは、まさしく私が吃音者に実践している、全身のリラクセーション、体の声をききとること、呼吸法の大切さと一致 する考えでした。 まあ、私が考えることは、誰かも考えているのですね。 数日後、スペシャリスト養成講座アドバンスの報告をいたします。では、また。

2012年4月25日水曜日

第10回ことばカフェ  ご案内   来る4月28日(土)2時~4時  多摩市永山 ベルブ永山403  ビジネススクエア多摩 交流スペースにて、  第10回ことばカフェを開催いたします。  ことば、吃音に関心のある方は、どなたでもおいでください。会員以外、4月から2000円ちょうだいいたします。  会員とは、治療にさいしての入会金、スペシャリスト講座会員、です。  新鮮、臨場感あふれる本音トークが展開されます。最新知識も得られます。  お目にかかれるのを 楽しみにお待ちしております。  早坂吃音クリニック 院長  早坂菊子

2012年4月12日木曜日

臨床は、「ぞうきんがけ」のようなものである

臨床は、「ぞうきんがけ」のようなものである。  小林宏明

私は、吃音んがあるこどもの臨床について、以下の2つの経験をしたことがあります。
まず、一つ目ですが、私は、ある幼稚園に通う吃音がある子どもの初回面接を担当しました。そのお子さんは、指導室に入るなり、「こんにちは」と元気にあいさつをし、「先生、一緒に遊ぼう!」と初対面の私に対して積極的に働きかけ、1時間の初回面接の間中ニコニコしながら楽しく遊んでいました。私は、その時に、とても朗らかで楽しい気持ちになり、また指導者としての自分の有能性を感じたりもしました。ところが、その後、次回の指導の予約のための電話をすると、母親は「実は、あの後、家に帰ってくるなり、<疲れたー>と言って表情が暗くなり、すぐに寝てしまったんです。」とお話しされたのです。私は、そのお子さんが私との遊びをとても楽しんでいるように思っていたので、そのお話をとても意外に感じたことを覚えています。

 次に2つめですが、私は、ある小学校に通う吃音がある子供の初回面接を担当しました。そのお子さんは、指導室に入るなり、表情が強張った感じになり、私が話しかけても全く返事をしてくれませんでした。そして、結局、その日は私と一言もことばを交わすことなく指導室の端の方に座って一人でもくもくとおままごとをして終わってしまいました。私は、その時にそのお子さんと保護者、私の3人でじっと黙って時間を過ごすことへの居心地の悪さや、お子さんの心を開いて楽しく遊びを展開できないことへのもどかしさなどを感じました。ところが、しばらくたって次回の指導の予約のために保護者に連絡をとると、
母親から「前回、大学で遊んだことがとても楽しかったらしく、<またいきたい>と言っています」とお話しされたのです。私はおこさんが私との遊びを楽しんでいるようには思っていなかったので、そのお話しにとても驚いたのを覚えています。

 これら2つの私の経験は、子どもの行動や様子が必ずしもその時の子どもの気持ちを反映しているわけではないことを教えてくれます。そして、(1)1つ目の事例では、子どもはその後ひどく疲れてしまうような気づかいや緊張をしているのに対し、私は楽しさや自身への有能感を感じている、(2)2つ目の事例では、子どもは自分なりのやり方で遊びに楽しさを見出しているのに対して、私は居心地の悪さやもどかしさを感じているというように、その時にこどもと私がそれぞれ感じていたことにかなりへだたりがあることも興味深いところです。

 私は、これらのことから、臨床は、ぞうきんがけにたとえられるのではないかと考えています。あるところをきれいにするためには、ぞうきんで汚れを拭き取らないといけません。臨床も、これと同じで子どもの緊張や不安な気持ちを解消するには、指導者が子どもが感じているこれらの気持ちを受け止める必要があるのではないかと思っています。そして、そのように考えると、1つ目の事例では、指導者となっていたのは私ではなく、むしろ子どもの方だったのではないかと、自戒を込めて思うのです。

2012年4月8日日曜日

少しの訂正

数日前の  遺伝子のいたずら のところで、自閉症(広汎性発達障害)の原因遺伝子についてのべたが、
それだけではなく、別の原因遺伝子のことについてもふれなかったこと、もっとわかりやすく記述すればよかったこと 反省しています。

また、すべて遺伝子のいたずら といっても、人には自由意思があり、さまざまな環境や与えられる事象、積み重なる経験がある。だから、決して運命論を唱えているわけではない。

しかし、人はそうしたさまざまに織りなす物象、時間、空間の中で、ある特性(くせ)のようなもので、動いてしまうことが多い。それを性格といってもいいが、その特性をよくしり、上手に折り合いをつけ、自分と仲良く いごこち
よく生きるために、遺伝子のいたずらについても目配りしてみたら というくらいのお話しでありました。

私は長くうつ病をわずらい、昨年12月に2級から3級にやっと進級できました。うつ病になったというと周囲の人が100%信じなかったくらい 明るく楽しいことばかり考える、あっけらかんとして のほほんとした性格でした。
本好きが良かったのか、学者になりましたが、まじめ という評価をいただいたことがあったかしら。

うつ病というとまじめ、完全主義といわれるけれど、そうではなく、脳の機能のある個所がぎしぎしこわれちゃっただけ。まじめになおそうとも思わず、周囲に多少?迷惑かけながら、う~つらいぜ~といいながら、吃音先生やらせてもらっています。

だからえらそうなこと言わない。けど、なんとか、楽しくいきてゆこうよ、とメッセージを送る資格はあるのではないか と思っている。

明るい光は暗闇があるからこそ 存在する。

しかし、かなしい現実がある。わらって生きようと思ってにこにこしていると、なんと目じりのしわがそのたびに
深くなるのだ!なるほど美人さんがつんとしている理由がわかったぞ、なんて。

アンチエイジングでしわとりする おばはんたちの気持ちにいたく共感するこの頃です。

2012年4月7日土曜日

新発見!吃音者から学んだこと。

ある成人の吃音者が言った。

 ぼくは、スターバックス、ドトールコーヒーは入るけど、サンマルクははいれないんですよ。
それが悔しい。

さて、どうしてなのでしょう?

みなさん、この3つのお店でコーヒー飲んだことありますか。注文するときなにか違いがありましたか。

私は聞くまでわかりませんでした。

スタバもドトールも手元に商品名が書かれた表が置かれていて、吃音の彼は、ほしいものを指させば
注文できる仕組み。

ところがサンマルクは、遠い壁にはってある品物をことばでいわなくてはならない。
うまく言えないのではないかという恐れを持つ彼は、サンマルクに入れない。
さらに、サンマルクに入れない自分のこと ふがいなく思ってしまう。

こんなサイコロジー わかりますか。

商店を経営する方々、商売している方々、こうした悩みを持つ人々の悩みもご理解くださいね。

多摩市を吃音者の住みやすい街にしよう!!!

2012年4月5日木曜日

ほとんどすべては、遺伝子のいたずら

遺伝子や脳の働き、たとえば、人の心が読めない(空気が読めないよりちょっといっているかな)自閉症という病気は、FOXP2という遺伝子が原因、これは、学習障害という病気をもたらす遺伝子と同じということがわかってきています。
 つまり、人の心が読める、読めないということは、言語(ことば)のちからが大きく関与していること、空気を読むって感性、ってなんとなくアバウトに思っていても、実は言語力によっているってこともあるということ、

そんなことも、いくら文系でも常識として知っていないと、人を間違って判断することがあると思う。

むろん さまざまなトラウマやショック事態があるけど、それをどう処理し、あるいは、まきこまれてゆくかは、結構
遺伝子だったりして。

最近本屋でちらっと見た本に 頭の良さは、現代国語の能力 とあってうれしかったな。あの超進学校
灘校を全国一の進学校に押し上げたのは、橋本先生というまだご存命の100歳でかくしゃくとして、
本を書き、奥様いないので、料理をし、またおしゃれこのうえない国語教師が、灘中の生徒に3年間
たった1冊の小説、銀の匙(中勘助)をよませ、徹底的に自分で調べさせたこようするに、したという話は有名せある。。

で、何をいいたいか というと、脳科学、遺伝子のお勉強を文化系の人も、ママさんたちもしたらいいなって。
文化系のための脳科学やら、遺伝学やら、生命科学やら、いっぱいでておりますよ。

ママさんたちも、どうしたら、その子をゆたかに伸ばせるか、凡人から天才が生まれる仕組みも、早期教育
やればいいってわけでもない、のんびりと、しっかりと、楽しくこどもを育てる方法、少し考えてから
ママさんになろうね。そして、そうした教育観が障害を持っている人への理解へつながってゆく。
正しい教育ないところに、しっかりした障碍者理解が育つはずがない。まず自分が勉強してほしい。
本物の勉強を。大学へいけないリスクもおそれずにね。

2012年4月1日日曜日

第1回吃音講習会  吃音Quis20 in Tama

東京都多摩市永山 ベルブ永山1-5 ビジネススクエア多摩の交流スペースで、第1回吃音講習会を開催
しました。

 講習会は花粉症や体調不良でこられないという連絡がいくつかあり、
  成人吃音者 : 電話恐怖
  4歳の吃音男児のママ
  言語聴覚士さん

そして、相棒のNPO法人アート多摩の中村弘子さんが出席しました。

とてもアットホームで一人ひとり、当事者、ママ、専門家と立場が違ったが故の面白さがあり、
有意義で、とても楽しい会でした。

歌を歌う時ってまず吃音者はどもらない。なのに、吃音当事者はどもる、と回答。
みなで窓の外をみながら、雨雨フレフレ、かあさんが~をうたいました。

ほーらね、だれもどもらないよ。一つ一つためしかんがえながら、がってんしていったね。
だから、なんだか ためしてがってんだね~って笑ってしまいましたね。
そのうち、ためしてがってんに出してもらいましょうか?

もっと勉強したい。言語聴覚士さんは、大学院行きたいって言い出すし、4歳と2歳のこどもの
ママは、なんだかこの領域勉強したくなっちゃった、というし、吃音氏は英語が得意ということで、
英語の文献紹介してくれ、となんとまあ、ことば、コミュニケーション、こころ、思うにまかせぬ
これらもろもろのおもしろさに魅せられる人が増えてきましたね。

スクールといっても寺子屋式か、なにか、笑いながら深め合う、そんな場ができるといいな、と思いました。

なにはともあれ、つくづく、ビジネス多摩スクエアの皆様、松本祐一多摩大学准教授、多摩市役所の方々
多摩信用金庫の高山さん、そして、受付の方々、入居者の皆様に感謝いたします。ありがとう!